2021年9月22日水曜日

慢性疲労症候群の神経障害の怖さ:2018/6/24

 私がこの病気が判明した時、細菌学に最も詳しい母は、とても驚いていた。

すぐ様に、この慢性疲労症候群に関する本を私に買ってきてくれた。
それから数十年、私がWHOの研究成果で読んだシガテラ毒の事を話したら、
うっ、と一瞬黙り込んだ母の姿を覚えている。

料理人の人なら、フグのシガテラ毒といえば、どれ程恐ろしい物なのか理解出来るのだろう。

母は料理人でもあった。
中枢神経が障害されるものの中に、シガテラ毒に類似したものが神経障害を引き起こしている可能性があるんだってよ?
と、何気なく言うと、
『 アンタ!もしそれが本当なら、とんでもない事だよ!?』と言われたが、何もピンと来なかった。

それから更にいま9年近く経って、理論生物学が解ってきた私には、その時の母の反応がどういう事を意味しているのか理解出来るような気がする。

『 どうしようもないから、病気と上手く付き合う事を勉強しなさい』
『 あなたには何も出来ないから諦めなさい』
『 医者にもどうする事も出来ないよ』

そう言って、私が悲しむから言わなかったということばかりだった。

菌は、抗菌剤や殺菌剤で死滅させて排除する事が出来る。
毒は、抜き取るか解毒剤で排泄させて、全身に回らないように対処すれば助かる。
ウィルスは、ワクチンで予防出来るが、基本的には抗ウィルス剤がないために自然と体内から排泄されるか高熱で自分自身の身体で死滅させるしか対処法はない。

大抵の場合、猛毒には全身に回るスピードが早い物が多くて、発見や対処が遅れると死に至るのは並の知識でも分かる。
神経毒となれば、真っ先に侵されるのは脳だ。
脳が侵された場合には、全身と精神の機能に相当なダメージを受け、そこから回復するのは、かなり難しく何かしらの後遺障害を発症するのも当たり前だ。
脳は再生できない。

毒を排除出来たとしても、一度損傷を受けた脳機能が再生する方法がなく、次々と起こる後遺症に対処療法で対処していくしかないのは、水俣病などの神経障害の記録から理解することが出来る。

化学的な神経毒は、排除できない。
身体に沈殿して生涯その毒素を体内で排出し続けてしまうからだ。
水銀、ヒ素、アルキル酸化合物、六価クロム……
私は子供の頃から、それらの環境基準を大幅に超えた物質に触れて、曝露され続けて来た。

ある種の公害病だ。

私が化学物質過敏症なのも、シックハウス症候群が強烈な反応をするのも、薬剤過敏ですぐに重症化したり重症薬疹で死にかけてしまうのも、すべて脳が長年をかけて学習した生体防御反応なのだ。

猛毒の残存と共存しながら生きる

だから、母が『 もうおしまいだ』そんな顔をして、今日一日を精一杯生きることを考えなさい、そんな事ばかりを私に言って、好奇心と向上心の強い私に「よしなさい、やめときなさい」しか言わず、何もさせようとしなかったんだ。
人一倍、あーしろ、こーしろとうるさかった母なのに、何もやろう!と思うな、ばかり。
医者にも他人にも「分かって貰おうと思うな」ばかり。


初めから無理だったんだ。
生きているだけでも、不思議なくらいの状態なんだ。

実感がまったくない私には、へえ~そうなんだ……くらいにしか分からない。
それくらい、この神経障害は脳を麻痺させてしまい、疼痛緩和の薬は鈍感にさせてしまうんだ。

毒と麻薬
毒を盛って毒が制さず、毒を増殖させるだけの悪循環

そうやってしか僅かな平穏な日常生活が送れない。
まるで他人事みたいな感覚だ。
正に、これが神経毒による神経障害だろう、と思う。
慢性疲労症候群の神経障害の怖さは、身体的な問題だけではないのが、
少しだけ解ったような気がした。

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