長年の診察の中で、発症は生まれつきであったものと宣告され、娘も亡くなった母も同じ症状があり、娘は遺伝性の発症と診断されて同じように患って闘病しています。
今回、新型コロナウィルス後遺症に悩まれる患者さんの実態をテレビや新聞で多数拝見し、筋痛性脳脊髄炎や線維筋痛症と同じような症状に苦しんでみえるのを知り、私の経験がお役に立てれば幸いと思い記事にしようと思いました。
執筆に当たり、私の想いをはじめに書きます。
本当は自己体験談を語るのは好きではありません
この疾患は患者の症状に大きなばらつきがあり、一律に具合を測れません。
出ている症状、自覚している症状、医師が診る症状など各々に客観的指標がまだ未解明の部分があり、診断基準のどのクラスに相当しているか?といった具合でしか判断出来ないのが実情だからです。
ただし、患者の訴える自覚症状は本物の症状であり、作為的なものでは決してありません。
しかしながら診察に当たる医師によっての受け止め方や地域的優位性によって、すべての患者の取り扱いが公平になされているとは言えない現状も実際に存在しています。
ある地域では、明らかに重度の障害を負っていると思われる状態にある患者の身体障害者手帳の認定が却下や低位の認定に留まる事態や医師の認識の差による重症度(例えばPS値)の客観性などの差が存在しています。
このような事から、私の方がよっぽどひどいというようなヘイトや患者同士の差別に直面するような事態が度々ありました。
ネット上では洗いざらい自分の状況を詳細に公表することは不可能であると同時に非常なリスクを負うため、すべての人に公開は出来ません。
また患者各々に応じた診療を提供する医師の対応に支障があるのは患者にとって有益ではないため、自分の診療病院や主治医の公表は避けた方が良いと思って来ました。
実際に私自身が医師から受けたドクターハラスメントや受診拒否など、とても辛い経験が山ほどありますが、それはある患者さんにとっては神様のような存在の医師であるかもしれません。
そのような観点から、自身についてあまり公表するのが好きではありません。
この点を何卒ご理解頂き、ご参考になさって下されば幸いです。
今まで経験したことのない異常な倦怠感とは?
病気もあまり経験したことがない人にとっては『倦怠感』と言っても、それがどんなものなのか分からないことでしょう。
一言で、 インフルエンザの真っ最中 これが一番解りやすいのではないでしょうか?
発熱が37.0℃や36.8℃程度の微熱でしかないのに、何でこんなにだるいの?と自分を疑うと思います。
微熱なのに高熱でうなされている真っ最中のようなだるさ。
体温の高い低い、と倦怠感の度合いは正比例ではありませんから、体温計の数字で判断しない方が良いと思います。
人間は置かれている状況を頭で把握するために目で見たものに理由付けをしようとするのだそうです。
ただ、微熱というのは『なんだ微熱か』ではなく、身体が異常を知らせるために出す信号ですので、微熱が長く続く方がじわじわと体力を消耗させるのではないかと思います。
故に、高熱や感染中で戦った後にきれいさっぱり回復とはいかない『長患い状態』では100m走を走り切った!というよりも、ダッシュを何10本も続けた後のような強烈な疲労感が続いている最中と想像してみると良いかもしれません。
今まで自分がやったことのないような重労働をずっと続けている状態にあると思った方が良いです。
どっとした疲れが、寝ても覚めても 文字通り続きます。
微熱の方が辛いです。
また、低体温である34.8℃以下も度々起こり、平熱が35.0℃のような場合には、37.0℃は2℃も上がっていることになりますので、38.0℃の発熱と同じ状態であるのも倦怠感の原因なのがお分かり頂けるのではないでしょうか。

これは私が具合悪いなあと思って測った時の画像です。
こんな数字は日常茶飯事で、一年中です。
盛んに言われる酸素飽和度(SpO2)の数字

上の画像を見て頂けばお分かりのように、血中酸素飽和度(SpO2)は安静時でもいつも95%を下回っています。
絶不調の時には、88%に陥ることも度々あります。
テレビで酸素飽和度が○○%を下回って人工呼吸器の必要な状態…と毎日、報道がされていますが、パルスオキシメーターの数字だけで状態がすべて分かる訳ではありません。
呼吸器科ガイドラインにあります通り、95%を下回ると”酸欠”状態になり呼吸困難を引き起こすので酸素供給を施す必要があります。
ただ、その酸素療法を施すにも『呼吸機能障害』が起きていることが前提ですので、肺機能障害があるかないか?やその他の所見を複合的に観察した結果でなければ、数値が低いというだけでは酸素療法は受けられません。
それは肺が二酸化炭素を十分に吐き出せる状態にないと逆に酸素が充満して『逆の酸欠』に陥って窒息してしまうからだ、と肺気腫を患っていた母の主治医から教えて貰ったことがあります。
私は慢性気管支炎(喘息)もありますが、肺活量が弱く吸うのも吐くのも十分に出来ず喘息治療が逆に呼吸困難を引き起こして治療中止になりました。
酸素を吸えばとても楽になれたのですが、治療の適応にはなりませんでした。
日々の生活で呼吸苦があります。
トイレに行くだけで、台所に立つだけで、着替えをするだけで、内服薬を飲むだけで、何かをするだけで苦しいです。
もちろん入浴するのは重労働でほとんど出来ません。せいぜい2週間に1度が精一杯です。
酸素が身体に十分行き渡っていないから何をするにも酸欠状態で苦しくて、そしてとてもだるいです。
いつも首を絞められているような窒息感があります。
酸欠のせいなのか、手足が冷えて、痺れて、強張って、うまく動かせません。
ハサミや包丁を持つ手が固まってゴワゴワになり、脳梗塞のように麻痺して動かなくなります。
文字を書くのにボールペンを持つ手が固まって字が書けません。
宛名書きにとても時間が掛かります。
歩く時に足がうまく上がらず、筋肉痛が起きて長距離が歩けません。
心拍数が遅いです。
平均は60回/分くらいで、体調悪化の時には大抵の場合45回/分のような非常に遅いことが一年中あります。
起立性低血圧
循環調節障害
心筋症
そのように心臓に関する症状が起きている、と中学生の時に循環器科で診断されたことがあります。
しかし治療できるくすりはありません。
先日まで アデホスコーワ という、うっ血性心不全改善薬を服用していましたが効果なしとのことで中止になりました。
酸素が少ない事と体温が安定しない事で、体温調節がうまく出来ません。
暑くなったり寒くなったり、悪心という症状が一日中あります。
寝ていても布団や寝間着の調節がうまく出来ないので、一晩中被って剥いでの繰り返しをします。
酸欠で一番つらいのは強烈な頭痛
毎日、強烈な頭痛が起きます。
以前は日中に普通の頭痛が起きていたので、バファリンなどのNSAIDsという鎮痛剤を服用していました。
1日4回ロキソニンやボルタレンを処方されていたこともありました。
今はそれらに重症薬疹や喘息を起こすようになり、薬剤過敏症のため使用できなくなりました。
それで冬に喘息が悪化して出して貰ったせき止めシロップが何故か身体の痛みと頭痛を抑えたので、成分を調べて『コデイン』が抑咳薬の成分で、これはモルヒネ類の鎮痛剤と同じであるのを発見して医師に話すと、『分かった。じゃあこれを使って』と言われて出されたのが、トラマールという痛み止でした。
非オピオイド系鎮痛剤がトラマール。
オピオイド系鎮痛剤がコデイン。
頭痛にトラマールは使いません。
1年以上トラマールを使用しても頭痛が治まらなかったので、また、せき止めを出して欲しいと話すと、アマージという片頭痛治療薬をやっと処方してくれました。
これが一発で効いて驚くほど今まで自分がどれだけ痛みに縛られて不自由で来たのだろう!という効き目でした。
ところが飲み始めて3年、決して乱用も常用もしていないのに寝ている間に突如バーン!という頭を撃ち抜かれたような強烈な頭痛に襲われるようになりました。
睡眠薬を飲んで完全にシャットダウンしてしまっている状態で突然の激痛発作で起こされても、身体や意識が起き上がれず薬を飲んで抑えたくても飲めない。
ううー、ううー、と唸りながらやっと起き上がって薬を飲んで、また唸りながら、いつの間にか意識がなくなって目が覚めたら悶絶から6時間後です。
これが2日に1回起きます。
頭痛が起きるから怖くて眠れない。
だけど身体は辛いし疲れているから寝たい。
こんな痛みに悶絶する6時間では休まりようもなく、目が覚めたら 疲労困憊 して居ます。
その状態は、心臓発作で目覚めた時とよく似ています。
味覚障害や摂食障害があります
よく味や臭いが分からない、食欲がなくなるとコロナの人の証言がありますが、筋痛性脳脊髄炎や線維筋痛症でも味覚障害や摂食障害が起きます。
自己免疫異常があると言われているので、口腔感染症によくなります。
唾液の殺菌力や歯周炎の症状があり口の中の状態が悪く、虫歯になりやすくて、顎の筋力低下もあり咀嚼力が弱く食べ物がうまく噛めません。
嚥下障害もあるため、飲み水を口に含んだだけでむせ込んでしまうことも注意しなければなりません。
食事の塩気や食べ物の味がほとんどよく分からないこともあり、調理の際には塩や砂糖の分量をメジャーで視覚化して注意したりしています。
美味しいと感じて食べることは、あまりありません。
食糧の買い出しにスーパーマーケットへ行って、入口でいきなり食欲が失せて買い物が出来なくなることも暑中あります。
お米がプラスチックの粒みたいに感じたり、うどんがゴムの紐みたいに感じたり、自分が何を食べているのか感覚がおかしくなることもあります。
そういう時には無理に食べないようにしています。
何とか味覚を取り戻そうと「これは自分がいつも好きだと思って食べてきた物だから」とか「本当はこういう味の筈なのに」などと思わないようにしています。
何だったら、これだと分かる食べ物だろう?と考えたり、カロリーメイトのようなバランスフードで栄養補助食品に代替したり、多分、本当は美味しい焼き肉なんだろうな?と思いながら「身体の栄養のため」と頭と切り離したりして毎日の食事をしています。
まったく美味しい食事ではありません。
ひたすら食べるリハビリです。
それは極度の栄養失調や栄養不良に陥った経験があるからです。
食べたくないから、食べられないから、と食べずに過ごしてしまい気がついた時には自力で水すら飲めない程に衰弱してしまったことが何度かあります。
そうなると点滴では追い付かず、流動食の経口摂取を必死でやらないといけません。この流動食が美味しい不味いではなく、身体自体が受け付けなくなっているのと消化吸収するエネルギーや基礎代謝が落ちているためにとても苦しい思いをします。
入っていかないんです。
水が飲めるようになるまで1ヶ月訓練をしました。
これが自力で出来ないとなると入院して、鼻からチューブを挿管して胃に流動食を直接流し込む治療をすることになってしまいます。
ベッドの上でたった二週間寝たきりで居るだけで、身体の筋力はあっという間に衰えて立てなくなり、肺は身体の重みで押されて小さくなり呼吸が不自由になります。
そういう経験から必死で毎日訓練したので、味が分からなくても食べるしかありません。
実は今、コーヒーが好きで毎日飲んでいても、風味も味もよく分かりません。
折角ドリップ式のコーヒーをたてて、牛乳と砂糖を入れるラテなのに出来た時の一瞬しかコーヒーの良い香りは感じられません。
なのに水の味は感じます。
脱毛症の問題
コロナ後遺症の人やがん患者さんのようなごっそりと抜け落ちる脱毛症はありませんが、抜け毛がひどい症状があります。
枕や布団、リビングなど至る所に抜け毛が落ちていて、ブラシに絡まる髪の毛の量も多いです。
また全身の産毛などは若い時よりも、はるかに薄くなり、更年期障害の症状はわりと早い年齢から始まると医師に言われていました。
恐らくホルモンのバランスが崩れているせいで、そういった老化現象が早まっているのではないか?という事です。
ある人は、服用している痛み止が影響しているのではないか?など言いますが、薬剤師の話では脱毛症になるような影響力の強い薬ではないとの事ですので気にしない方が良いと思います。
抗がん剤などホルモンに影響する一部の薬剤はありますが、私の考え方は日々の症状を良くしたり維持するために服用する方が生活は楽に送れるので、健常者のように生きようとは思わない方が自分のためだという思いで居ます。
でも辛いですよ、髪の毛が無くなったりするのは。
ここまで書きましたがキリがないのがこの症状
不定愁訴と言われる自覚症状。
ありとあらゆる症状が毎日、ずっと襲って30年です。
あれもこれも、とありますが、一番辛いのは痛みと疲れです。
全身筋肉痛と全身関節痛
これが一番ひどい症状で、これに伴って内蔵の疲労と思考の疲労が起きます。
思考の疲労ってなに?
と思われるでしょう。
読んで字の如く、考えると全身が疲労困憊して、脳も疲労困憊するんです。
例えば、この記事を書くという作業も思考の疲労があり、この集中力が後になって100mダッシュをした後のように、どっと疲れてしまい寝込みます。
起き上がれるようになるのは明日の夕方近くです。
そういうリズムでずっと生きてきました。
ですからスマホでSNSをずっと追いかけるとか、LINEに一喜一憂するとか、思考が疲労するようなことや心労になることは出来ません。
具合が悪くなるから、というより、その作業自体が体力がなくて出来ません。
バッテリーに例えるなら
初診の時に医師に伝えられた言葉をアドバイスとして皆さんに送ります。
『この病気はバッテリーに例えるなら、健康な人の3分の1しか自分は充電出来ないと思って生活して下さい』
そう言われました。
実際にその通りです。
自分の記憶は元気だった時の記憶で止まってしまっているので、自分が動けない状態だと自覚は全く出来ません。
その通りに健常者と同じように働いたり、遊びに出掛けたり、食事に行ったりして、こっ酷い思いを何度も何度もして来ました。
行った先で突然具合が悪くなる。
いま、その瞬間まで元気だったのに突然の脱力発作で顔面蒼白になって冷や汗を流して倒れ込む。
仕事を度々休まなければならない。
今日こそは頑張るぞと出勤して、直ぐに早退。翌日から休職になってしまい、ずっと寝込んで2年経過してしまう。
その後も社会復帰を何度も挑戦するが、ただただ悪化させるだけでしかない。
私から言えること
- 具合悪い時に動こうとしない方が良いです。
- 少し調子が良さそうだと思っても、やりたいことや、やらなければいけないことは1日に1つだけで終わらせた方が良いです。
- 目の前のテーブルの一角を雑巾で拭くのも仕事1つをやったと思って下さい。
- 今までの健康志向は通用しないと思ってやらないようにした方が良いです。気晴らしや散歩をしたり太陽に当たった方が良い
- そういう考えは症状を悪化させます。
- 臆病になって萎縮しない方が良いです。
- 何でもやれる、やってみようという意欲を失わないように。
- 症状を抱えた自分に合った出来ることをなるべくやろうと思って下さい。
- そして、もう無理かな?と感じたら、あと少しと深追いせずに直ぐに止める勇気も持って下さい。
- 自分を追い詰めますから、追い詰めないように注意して下さい。
怠け者なんじゃないか?
やる気がないだけなんじゃないのか?
こんな筈じゃない
そんなことが頭を駆け巡ったら、「あ、自責だ!」と言い聞かせて、「お前の脳が勘違いしてるだけだぞ」と何度でも自分に言って聞かせてやり過ごして下さい。
- 引きこもりのように感じても真に受けない方が良いです。
- 出られないから、動けないから、じっと我慢しているだけです。
- 決してニートでも引きこもりでもない!と自分を励ましてあげて下さい。
- 誰から何を言われても、いま自分が感じている感覚は決して嘘ではないんだ!と自分だけは自分を信じてあげて下さい。
- みんなやってる
それはぼんやりとした、どこかの健康な誰かであって、自分とは違う人のことなんだと思った方が良いです。
- こんな症状に四六時中襲われているのは、みんなではないのです。
- 何かを頑張ったら自分を褒めてあげて下さい。
- 何にも出来なかったら、仕方ない今日はね、と慰めてあげて下さい。
- 決して励まされないで下さい。
それはプレッシャーになって辛くなるだけです。
最後に、解って貰おうと期待しない方が良いです。
気のせい や 気分が落ち込んでるだけ とか 大袈裟なんじゃないの など、そんな風にしか受け止めてくれない人に何を訴えても無駄です。
もっと前向きに、そんな事を言ってくる人も居ますし、良かれと思って温泉や旅行に連れ出して元気付けようとしたり、一緒に楽しもうと誘ってくれる人も居ますが、そのどれもが負担でしかありません。
あなたに出来る、あなたがこれなら楽に楽しめる
そう思えるイベントと環境で一緒に楽しんでくれる人と楽しんで下さい。
私は、ちょっとの距離しか歩けないので娘が一緒にお洒落する物や映画などを見に行って欲しいと言われた時に、車椅子を押して貰って出掛けます。
それでも3時間くらいが限界です。
カラオケなら座ってたり寝転がってたり出来るので、未成年の内は同伴という形で一緒に行きました。
横になれる空間が必ず必要です。
身体を起こしているのは、とても体力が要りますし、横になっているのもまた体力が非常に必要なのを学習して下さい。
抑うつ症状が自分を苦しめます。
それは脳が疲労して起こす症状の一つですから、決して病気になったことや社会生活が思うように送れないことをくよくよしているからではないのを知って下さい。
確かに今まで社会の一員として、毎日外へ行き、何の不自由もなく仕事や学校に行って活動して来たのに、何日休もうが何ヵ月経とうが一向に社会生活が出来ないで居るのは情けなく思うでしょう。
だけど、それほどまでに大変な病気を患った後遺症だから仕方ないと私は思います。
とかく風邪を軽視しやすい日本ですし、たかが微熱くらいや、38.5℃の高熱でも頑張ったというような根性論であまり重大な意識がなかったと思います。
この新型コロナウィルスの恐ろしい所は、それまで健康だった人が年齢に関わらず感染して、何が原因なのかも解らずに(直接的死因ではなくコロナウィルスがどのように関係したからなのか)死亡してしまうケースがある点だと思います。
そういった重大な感染症の後遺症となれば、相応の症状に襲われて苦しむのだろうと想像します。
私に出来るようなことはありませんが、感染症後遺症の症状や予後の生き方、生活の工夫でしたら長年の闘病生活から得たものが沢山ありますので、お役に立てたら幸いです。
寄り添って、そう簡単に言うのを聞きますが、本当の意味で寄り添うことは難しいと思います。
混乱する身体と頭が少しでも落ち着いて、一晩だけでも安眠出来る日がありますようにお祈りします。