人間、長く生きていると色々あって、私はどれぐらいの数の医師と出逢ってきたのか、もう数えられない。
私自身と母の出逢った人の数は、計り知れない人数になる。
- 自分が心臓を刺して入院した時の研修医の先生のこと。
意識もしっかりしだし、会話も多少出来るようになっていた、ある朝、血中酸素濃度を測るため動脈血採取に担当医に同行してきた研修の学生さん。
担当医が足の付け根から採取しようと注射器を片手に、
『手袋して。はい、じゃあ抑えててね。』 と言ったら、何を勘違いしたのか先生の顔と私の顔をキョロキョロ見て、私の肩を両手で抑えた。
私は心の中で 「おいおい、抑えるところ違うよ」 と思っていた。
同時に担当医も同じ事を思っていたが、採血は技が必要なため黙って続行。
そして、 『はい、良いって言うまでココ抑えててね。』 と言った。
そうしたら学生さんも 『嗚呼そこ !?』 と言わんばかりに勘違いしたのに気付いた。
話すのが面倒じゃなかったら言いたかったね。教えてあげたかったね。
「もしもし?自殺未遂の患者だからと言って、誰も彼もが気が触れてしまってるんじゃないよ。事前にもう少し、患者情報見ておくなり、指導医にきちんと説明受けようね。」
おもろい。笑い事ではないし、笑ってはいけないけど、おもろい。
担当医も私も、ニヤっとしたのは一瞬の目配せだった。
まあ、研修生も最初に変だなぁという表情をしたのは確かだった。 - 近所の耳鼻科の開業医の先生のこと。
その病院は、この地域では珍しく 『医師取得免許のお面状』 をきちんと額縁に入れて掲げている。
東京では、殆どの病院で当たり前のことだ。
昔から、耳鼻科医と皮膚科医は何となく寡黙な変わり者が多い印象がある。
もれなく、その先生も変わり者の様相で、言葉を話す、聞くより先に診察の手が動き出す。
しかし、きっちりとこちらの経過を聞いている。
作業をしながら、カルテに書きながら、私が 「なんか、凄く痛いって言ってて(娘が)」 と言うと、 『ああ、これは痛いよ!うん!」 と、へぇ~と納得させる言い方をする。
でも、いきなり 『はい、あっち向いて』 と指示し、いきなり何の説明もせずにズボっと耳に消毒の棒を差してくるし、 『んじゃ、こっち』 と言って鼻にズボっとエアブラシのような器具で何かをする有様。
ビックリするよ。怖いって。
でも、その洞察力と観察力は、かなりのものを感じ、行けば必ず治る。
私、この先生の腕、確かだわ!といつも思う。
その決め手がこの一言。
「皮膚にデキモノが出来てるし、扁桃腺かリンパ腺みたいな所が痛いから、皮膚科なのか内科なのか何処に行けば良いのか迷ったんですけど…耳・鼻・喉で耳鼻咽喉科なのかなと思って」
と、聞いてみたら、
『首から上の事は、耳鼻科で正しいんだよ。』
なるほど。武道の一本!でしたね。 - 近所の不定期な診療日で開業している皮膚科の先生のこと。
この先生、かなり年配。しかも笑顔ない。
でも、奥さんが婦長さんと助手をしていて、無愛想な先生の代わりに笑顔で丁寧に処置をしながら、治療の説明をしてくれる。
その間、患者から経緯や症状を先生は聞き取る。
私が初めて自分で、 「もしやコレは薬疹という奴か?」 と疑って、思い当たる薬を中止して、症状がだいぶ良くなったが中々治らず行ったのが始まりだった。
事情を説明して、これ以上治って行かなくて困ったから来たと伝えると、
『うーん!偉い!お見事。』
と、言って薬疹を特定するのは難しく、医者でも中々重症化しないと見つけられないんだよと話してくれた。
言われた通り、塗り薬を塗ったら綺麗さっぱり完治しました。
そこは、先生お手製の配合した塗り薬と、ガーゼに貼付してサランラップで巻いた湿布状の患部に切り張りするものを処方する、面白いお医者さん。
しかも偏屈そうな先生は、義務教育までの子どもには診察が終わると、机の引き出しから駄菓子を何種類か 『はい、コレあげる』 と言ってご褒美をくれるんですねぇ~♪
お陰で、地域の頼りになる先生として診察日は大勢の老若男女で、一時間待ちなので、皆さんかって知ったる台所で、ノートに順番予約の名前だけ書いて受付に一言言ってどっか行っちゃいます。
※ちなみに先生のこと調べたら、昭和44年に発表した印刷不可能な専門的な論文の数々が出てきました。すごいわ。どうりで熟知してるってわけか、と納得でした。
もっと、こう云った開業医が居たら良いのに。昔は居たのにと残念な思い。
宜しかったら、読んで見て下さい。
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